肩ベルトはカーブが強い方が肩にぴったりしますか?というのも、肩ベルトは色いろなメーカーで形が違うんです。角度をつけて立ち上がりカーブがかなりついているものなどありますが、背負ってみてどうなんだろうと疑問です。
背カンの構造そのものによって、あるいは肩ベルトの内部に樹脂を入れ込んで肩ベルトの弯曲をつけているメーカーなど色々あります(フィットちゃん、天使のはね、萬勇鞄、キッズアミ)。
その一方で人工的な彎曲をつけず、肩に沿った自然なカーブができるタイプの肩ベルト(鞄工房山本、ララちゃん)の2つに分かれます。
天使のはねの肩ベルト
天使のはねを横から見たところです。肩ベルトは天使のはね機構という樹脂の弾力性で立ち上がっています。「天使のはね」というのは肩ベルトを立ち上げるために入れてあるプラスティックの芯材の事です。
数年前になりますが、このカーブが極端で、背負った子供が肩が痛いと言ったと耳にしました。
プラスティック樹脂で形づくったカーブなので、稀に子供の肩に馴染みにくい場合もあるようです。でも殆どの場合、問題にはならないようです。。
肩ベルトに芯が入っていなくてもカーブが馴染まず痛いという子供もいるので、どちらが良いとは一概には決められません。
フィットちゃんの肩ベルト
フィットちゃんの肩ベルトは、25度の角度がつけて立ち上がっています。
この角度が肩への負担を50%減らすと言われます。また、肩ベルトには肩に優しいクッション材が使ってあったり、ずれない工夫もなされています。自然なカーブを描いているので、肩へのフィット感の評価が高い肩ベルトです。
萬勇鞄の肩ベルト
肩ベルトは、フィットちゃんなどと同様に立ち上がり、肩ベルトが内側から外に広がっているので、肩からずれずに体にピッタリとフィットするようになっています。
上手く作ったものだと感心しました。クッション材も使ってあるので背負い心地は抜群です。
ララちゃん
ララちゃんの肩ベルトは立ち上がっていません。少し変わっているように思えるかもしれませんが、立ち上がっていないのには理由があります。
自然に肩ベルトに肩のカーブの形ができてくるように、敢えて肩ベルトを立ち上げていないのです。この点については鞄工房山本も同様のコンセプトの肩ベルトです。
当たり前のことですが肩ベルトに最初からカーブがついていれば、子供の肩の形とは違う場合もありますね。その違いが大きいと「痛み」を感じるなど違和感がはっきりとしてきます。
その点では敢えて肩ベルトを立ち上がらせず、子供の肩の形に沿った自然なカーブができるようにするやり方の方が自然な方法だとも言えます。
このような、立ち上がらせない方法は、背カンにも無理な力が加わらないので、背カンの破損も起こらないというメリットは大きいです。だからといって、肩ベルトが立ち上がっているランドセルの背カンが破損しやすいわけではないので、誤解なさいませんように。
キッズアミ
キッズアミは萬勇鞄と同じ「ウイング背カン」を使って肩ベルトに弯曲をつけています。それに肩ベルト内には、形態記憶樹脂が入っているので、そのランドセルを背負う子供の肩の形に沿ったカーブになるよう配慮された構造となっています。
他のランドセルの肩ベルトと同様に、内部には肩に優しいクッション素材が入っているので、肩への当たりが不快にならない配慮がされています。
まとめ
ランドセルのカーブが最初からついているから、肩にピッタリするとは限りません。そのカーブはその子に合わせたものではないからです。
最初からランドセルにカーブがついて立ち上がっているから良いとか、カーブがついてない無いから良くないといったこともありません。
最初カーブがついていないララちゃんランドセルや鞄工房山本の肩ベルトは、時間をかけてその子の肩のカーブに沿ったものになります。ただ、自然皮革の場合には最初は革が固いため、カーブがついていなくても多少の違和感があることもあります。
こういった時、自然皮革の肩ベルトを少しもみほぐすと柔くなって肩に優しくフィットすることもあるんです。
また、最初からカーブが付いているものは、カーブが付いていないものに比べて背カンの構造上弱いと言えます。
左は背カンの三角カンです。三角カンは肩ベルトと背カンをつなぐ三角形の金属です。
黒い部分が左右に開くプラスティック部分です。
肩ベルトが最初からカーブを描いて立ち上がっているのは、三角カンがプラスティックの中で回転しないように断面が楕円になっているからです。